よっこいしょ!

介護の仕事を通して感じたことをお贈りします。

誤嚥性肺炎とは。簡単にできる予防法!

よーさん。です。

今回は “誤嚥性肺炎” についてご紹介します。

 

・目次

 

 

はじめに。

誤嚥性肺炎」誰もが一度は聞いたことがあると思います。

日本人の死亡原因第3位となっている肺炎。

死亡者の95%が高齢者で、その多くがこの「誤嚥性肺炎」です。

今回はその「誤嚥性肺炎」についてお贈りします。

 

誤嚥性肺炎とは

肺炎の1種で、唾液や食べ物が誤って肺へ入ることを「誤嚥」と言います。

それが炎症を起こすことで起きるのが、この「誤嚥性肺炎」です。

人は食べ物を飲み込む瞬間に、肺へ食べものが入らないように気管に“蓋”をします。

この蓋を“喉頭蓋”(こうとうがい)と言います。

しかし、高齢になるとこの喉頭蓋の動きが鈍くなり食べ物が食道ではなく気管を通り、肺へ入りやすくなります。

上下入れ歯の高齢者や、胃ろう(胃に造設した管から直接栄養を入れる)の方で口から食べていない人でも唾液が肺に入ることで誤嚥性肺炎になります。

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画像引用元:むせ込みって何?

 

誤嚥性肺炎の症状

典型的な症状は、咳・のどがゴロゴロする・発熱です。

風邪と症状が似ていることから、自覚していても直ぐに病院へ行かなかったり、なかには咳や熱が出ない人もいます。その場合、発見が遅くなり「なんか最近元気ないな」「なんとなく食欲がないな」と思い病院へ行き“誤嚥性肺炎”と診断されることがよくあります。

 

誤嚥性肺炎の予防方法

誤嚥性肺炎はもちろん予防することができます。

これから簡単にできる誤嚥性肺炎の予防方法をご紹介します。

1.口腔ケア

※いわゆる歯磨きです。上記で上下入れ歯の高齢者が誤嚥性肺炎になりやすい。とお伝えしました。理由は入れ歯の隙間や裏側に「食物残渣」(食べかす)が溜まりやすいからです。そのままで長時間いると、口の中に残った食べかすが知らないうちに少しずつ肺へ入り炎症を起こします。できれば毎食後、入れ歯を外し洗浄することをお勧めします。入れ歯のない方も食後はなるべく、うがいや歯磨きをすることで肺炎のリスクを軽減できます。

 

2.適度な運動

※肺炎に限らず、どの病気の予防もこれに尽きます。

実は高齢者に限らず、私たちでも誤嚥することはあります。

急いで食事をした時などにむせる事ありますよね?

それが誤嚥です。

しかし、私たちは多少誤嚥しても免疫力があるので、肺炎になることはありません。

高齢者の方も適度な運動をすることで体力を維持し、免疫力の低下を防ぎましょう。

 

3.正しい姿勢で食事する

※「足がしっかり床に着く椅子に深く座り、首は前方に少し傾け、あごを引き気味にする」

これが正しい食事姿勢です。あごが上がったり、体が後ろにそっていると食べ物が気管に入りやすくなります。食事介助をする場合は、横に座った状態で介助しましょう。介助者が立ったままだと自然とあごが上がってしまいます。

 

4.食べやすい食事にする

「パサパサ」「サラサラ」といった触感の食材、口の中に入れると「バラバラ」になる食べ物は誤嚥しやすくなります。

「パサパサ」パン、カステラ、ゆで卵、など

「サラサラ」水、お茶、ジュース、汁物、など

「バラバラ」ひじき、ひき肉、など

パンはパン粥に、ゆで卵はマヨネーズと和えサラダに、液体はトロミをつけたりと調理方法を工夫しましょう。

 

5.口の体操

飲み込みのメカニズムは、口の中で食べ物を噛みながら、唾液と混ぜ合わせ“食塊”(しょっかい)を作ります。しかし、高齢者は唾液が出にくく食塊がうまくできないために誤嚥し易くなります。そこで、食事の前にパタカラ体操口腔体操を行い唾液をでやすくする事で誤嚥の予防に繋がります。

ポイント!

認知症の方や何度も誤嚥性肺炎を繰り返す人は、ご飯を食べる前にスプーン1杯のアイスクリームを食べるのが効果的です。実際に施設等でも行われている方法です。冷たいアイスクリームで刺激を与えることで飲み込みがスムーズになります。

 

ポイント!

よく介護現場で、ゴホッゴホッとむせている高齢者の背中をドンドンと叩いている人がいます。これは間違いです。「誤って気管に入った食べ物を食道へ戻す」という動作がこの“むせ”です。この時にドンドンと背中を叩くと逆効果になります。

背中を優しくさするか、落ち着くまで見守ってあげましょう。

 

まとめ

高齢者のなかには、食べることを毎日の楽しみにしている方が多くいます。

しかし、1度誤嚥すると食べることが怖くなり、食べること自体がストレスになってしまいます。先ほどお伝えした予防方法は、簡単にすぐに始められる事ですが、なかなか自分1人では難しいかもしれません。そばにいる家族や介護者が正しい知識を持ち、一緒に取り組むことで1日でも長く元気な食生活を続けてください。

では今回はこの辺で。

よーさん。でした。

 

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